この春、はじめて『部下』を持ったあなたへ②
おはようございます。特定社会保険労務士の森川です。あんなに大騒ぎしていたGWも本日で終わりですね。皆様、ゆっくりされましたか?通常と全く同じシフトでお仕事されていた方もいらっしゃったでしょう…。お疲れ様です。
弊所も、ほぼ通常通りの稼働で、昨日は、大阪までリアル”セミナー”に参加し、今月の20日に行われるイベントの打合せをしてきました。
今回は、リーダーとしての「前に踏み出す力」についてお話しします。
前に踏み出す力って、何?
これには、「主体性」「働きかけ力」「実行力」の3つがあると言われています。まず、「主体性」ですが、これは一般的に”自発的に率先して行動する力”と表現されることが多いですね。でも、それだけではなく”人して自分の人生に責任をとる姿勢”ということが大切ではないかと私は考えます。2つ目の「働きかけ力」はまさしく、自分の周りの人に働きかけ、巻き込む力、3つ目の「実行力」は目的を設定し確実に行動する力の事を指します。本日は、「主体性」について考えてみましょう。
主体性を発揮する
皆さんは、現在、「主体性の発揮」具合はいかがでしょう?次の項目をチェックしてみましょう。
- 何でも自分で目標を設定して取り組むほうだ
- 目標に向かって、何をしたら良いか、まず考える。
- 自分でやると決めたことは、自分から率先して実行に移す
- 知識や経験が不足していて役割を果たす自信が持てないときは、自ら先輩や上司に対して教えてもらうように働きかける
- たとえ人の指示でも、自分も納得して実行したのだから自分の責任だ
いかがでしたか?すべてにチェックがついたでしょうか?リーダーとして後輩や部下に見せなければいけない背中は「仕事の目的を理解し、目標を設定し、目標を達成するために何をしたらよいかを考え、率先して行動している姿」です。もちろん、”見て覚えろ”や”俺についてこい”的なリーダーシップを求めている訳ではありません。ですが、上から降りてきた目標だから、何も考えず、会社が悪い、上司が悪いと日々を惰性ですごしている(そんな方にはリーダーの仕事はまわってきませんけどね(笑))姿を見せているようじゃ、部下も組織も上手くいくわけはありません。
会社という組織で仕事をしている以上、目標は”上から降りてくるモノ”であるという方がほとんどではないでしょうか?目標を自分で好き勝手に設定して仕事ができる…と言う方は稀だと思います。だとしたなら、上から降りてきた”やらなければいけない目標”を自分の”やりたい目標”に変えていか?近づけていけるか?が大切ではないかと私は思うのです。
目標をいかに持つかが重要
私も会社員時代が長かったので「組織や上司が決めた目標」を自分の取り組む目標としなければいけないことも多々経験してきましたし、現在、社労士として関わりを持たせて頂いている企業の皆様ともこの辺りのお話しを良くします。
皆様もご存じだろう脳科学者の茂木健一郎さんが、脳の働きの本質は「自発性」であり、そもそも脳に何かを強制することはとても難しいそうです。「自分が選んだ」「自分が決めた」という感覚があってはじめてドーパミンが分泌され、それが高い能力向上につながるというようなお話しをされていました。ですから、決められた目標を仕方なく取り組んだとしてもなかなか成果は上がるはずがないです。
では、どうすれば良いか?それは、上から降りてきた目標を更に先の地点に自分で設定している自分の目標とつなげることが出来れば、「やらなければいけない目標」が「やりたい目標」に変えることができます。
私自身の目標でお話しをすると…
私は、7年前に会社員から社労士になりました。実務経験ゼロ、人とのつながりゼロ、資金もあまりなく当初はこのままやっていけるのか?という不安な船出でした。1年目~3年目は、そんなに仕事が増えることなく、超がつく手探り状態。そんな中、アルバイト感覚で応募したのがとある研修を販売している会社の雇われ講師の仕事でした。前職で、インストラクターやトレーナーの養成を長年経験してきていましたので意気揚々と初回の研修をした後のフィードバックで、営業担当の方から言われた一言が、
『あなたの事務所名で仕事をするんなら今のレベルで良いけれど、うちの会社の名前をかたって講師をするなら今のレベルでは困る』
と、はっきり言われたのです。この時の衝撃、この言葉の重み…。確かにアルバイト感覚ではじめた仕事ではありましたが、この瞬間、私の心に、一気に火がつきました。上手く説明できないところを徹底してつぶす。練習した項目を実際に会社の担当の方に見て頂いてフィードバックをもらう。そして、どんなに通いづらい場所のオファーも断らずに登壇する回数を増やす努力をしました。このころには、「上手く研修ができる講師」から「実践をしたい気持ちを引き出せる研修講師」へ。そして「課題解決に直結する研修を提供したい」に変化してきました。「言われたことを言われたままにやれる講師」から「モノを言う講師」(会社側からした使いにくかったと思いますけどね(笑))に転換した訳です。
”この項目は、こう説明してください”というマニュアルは勿論存在するのですが、全項目、提案しつつ、参加してくださる受講生の皆さんに合わせて説明の仕方や言葉の選び方、事例の出し方まで。自分なりに求められるレベルをクリアしつつも、自分にとっても意味があるモノにしていく。こうなってくると楽しくて仕方ありませんでした。与えられた目標の先にある自分の目標とつなげられた瞬間、取り組み方が変わるんですね。
人として自分の人生に責任を取る
最後にお伝えしたいのは、今、目の前で起こっていることは、自分自身の今までコミュニケーションの結果だということです。
『上司が悪い』
『会社が何もしてくれない。』
『先輩がちゃんと教えてくれないから、出来ない。』
と自分以外に責任を求める姿勢では、自分の人生を生きているとは言えないのではないか?と思いますがいかがでしょうか?自分の行動は状況から生まれてくる一時的な感情の結果ではなく、価値観に基づいて自分自身で選択しているということに意識を向ければ、人生が動き出すはず。そんな風に私は考えます。
では、本日は少し長くなりましたので。この辺りで。GW最終日、雨の地域が多いようですが、素敵な1日をお過ごしください。