言っても伝わらない・・・

「これからはもっとコミュニケーションをとっていきましょう!」
「やはり連携が大切です!」
「コミュニケーションをとる」とは?「連携をとる」とは?
あるミーティングで、リーダーの方が皆に向かって話していました。
色々トラブルがあり改善が必要な状況で、どうしたら良いのか?を皆で考えるミーティングでした。組織(チーム)で動く中、「コミュニケーションをとる」「連携をとる」ことが大切なことは重々理解しているのですが、果たして・・・このリーダーの方の言う「コミュニケーションをとる」とはどのような事なのか?「連携をとる」とはどのような事なのか?そして、ミーティングに参加しているスタッフに伝わっているか?は、非常に不安(心配)な状況がありました。
「コミュニケーション」や「連携」という、その言葉とその意味は知っていますが、今回のトラブルが起きた場面での意味はまた違った意味もありました。また、それぞれのスタッフが考えている事も直接聞かない限り分からず、リーダーによる、伝わっているだろう、大丈夫だろう・・・という勝手な解釈で終わります。そして、その結果、また同じ事を繰り返すか、リーダーの考える方向とは全く違う事になるのは目に見えています。
私たちの思考には意識されずに使われる「枠組み(スキーマ)」がある
「枠組み(スキーマ)」とは、認知の深層にある無意識のもので、自己の人生観や世界観の個人特有のパターンのことです。
「知識や思考の枠組み」が皆同じであれば、話した内容や伝えた内容はスムーズに理解されますが、実際にはそんな事はめったに起こりません。なぜならば、一人ひとりの経験や育ってきた環境、学びは違いますし、双子で育つ環境や経験が同じでも、それぞれの興味や関心が違えば形成される「枠組み」が違ってくるからです。
理解は偶然、誤解は必然。
伝える、分かり合う手段として、ものの言い方や言い換えを工夫することは有効な手段ではあります。ですが、人は自分の「枠組み(スキーマ)」というフィルターを通して理解していくということを理解することが必要なのではないでしょうか。
だからこそ、ミーティングのような場面でも一方的に伝えるのではなく、その人の考えや感情を言葉にしてもらい、微妙なズレや違いをお互いに知り、「誰もが同じような理解をするわけではない」という基本のもと、修正し行動に起こしいく作業がとても重要です。
ミーティングの中で、「こうしたらよかった」「ああしたらよかった」という意見が出てきて、色々と話す中で行動目標ができました。その上で、「じゃあ、なぜそうできなかったのか?」「できなかった理由は何か?」それを出し合う中で本当の原因が少しずつ浮き彫りになり、より良い具体的な行動目標ができました。
ザックリあった「コミュニケーション」「連携」という言葉が、頭の中ではなく、行動として理解でき、また、「自分と相手の違い」を当たり前に理解するきっかけとなりました。
そして、強く思う事は、何かトラブルや困難が起きた際、「ちょっと集まろう」と、そのモノゴトとそれに携わるヒトを、再度皆で考え理解する事がいかに大切かという事です。皆が起こっているコトを、「自分ゴト」にする為にもリーダーにとって必要な行動ではないでしょうか。