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「自分語り」によるコミュニケーションを学ぶ

城戸 貴子

先日、面白い体験をした。

キャリアコンサルタント養成講座にて、クライエント役として養成講座の受講生の方(キャリアコンサルタント役)と関わっている時に感じた体験です。

クライエント役の人物設定として「転職しようか迷っている」、「自己理解(これからのキャリアプラン)が不明確なため迷っている」「仕事理解(会社に求められている役割)不足」大枠ではそのような設定でした。(実際には、どのような価値観の人物か?キャリアアンカーはどんな点かなど設定をつくります)

スタートの信頼関係構築段階では、キャリアコンサルタント役の緊張もありぼんやりとした気持ちがありましたが、「自分語り」を行う中で、「自分の経験を振り返り自分なりの意味づけをすることにより未来につながっていく」という事を実感しました。

自分では、些細な事だ・・・と感じていた事でも、改めて語り、その時どう感じたか?を語ることで「自分には必要な経験だった、だから今がありこれからがあるのだ」と自分自身で整理でき、自分を承認でき、少し目の前が明るくなりました。

そして、キャリアコンサルタントとしても、クライエントがどのような感情の変化をするのか?安心安全な語りができる場をどうつくるのか、多くを学び、貴重な体験ができました。

『サビカスによるキャリア構築理論』

その中では「語りを重視」というキーワードがあり、キャリを構築する主体である個人や、個人が経験に与える意味に着目した理論です。キャリアは客観的なものではなく主観的なものであり、単なる事実の羅列ではない。過去の経験や現在の経験などを振り返って、「自分なりの意味付づけ」をすることにより、未来につながっていくという考えです。だからこそ、キャリアコンサルタントは、クライエントの経験を「意味あるストーリー」にする手助けを行います。そして、クライエントと共に物語を構築していくのです。自分を知る・・・という点でも様々な視点があり、「自分語り」の大切さと、「自分なりの意味づけ」が必要なのです。

これは「コミュニケーション」を考える一つです。

例えば、部下が、研修やセミナー、会議に参加した際にも同じ事が言えるのではないでしょうか。参加した研修や会議が重要であればある程意味を成します。どのような事を見聞きし、何を感じたのか、部下の経験したことを十分に語らせることで、部下はその一つひとつの意味を自分の中に落とし込み、深い理解に繋がります。語ることで上司と部下の共通の理解や共通言語が生まれ、これからのコミュニケーションにも活かせます。そして、部下は「自分の話を聞いてくれた」という承認欲求が満たされ、更なる活躍に繋がるのではないでしょうか。

上司や先輩の方々は改めて、「コミュニケーションをとる方法」を知るきっかけや、改めて人との関りを見直すきっかけになると幸いです。

ABOUT ME
城戸 貴子
城戸 貴子
キャリアコンサルタント
九州女子短期大学体育科卒業。小学生から短大まで水泳とソフトボールに明け暮れる日々を送る。卒業後、大手スポーツクラブで勤務。退職後、キャリアコンサルタント国家資格取得。「自分らしく」「生き生きと働く」ライフキャリアやワークキャリアを考え、歩んでいけるお手伝いをします。自分も周りも幸せになる世界を目指して。趣味:音楽鑑賞・ライブ参戦・読書(本屋さんが大好き)・空を見るのが大好き 好きな言葉は「雨過天晴」自分のキーワード「挑戦する・感謝する・ワクワクする」
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