未来を切り開く働き方の戦略
「急だけど、9月1日付けで大阪の店舗へ異動が決まったよ。」
「今度、新店ができるんだけど、準備も含め9月から〇〇店に異動の内示です。」
この時期、9月は、先月に内示があり、今月より新天地での業務がスタートした方も多い時期なのではないでしょうか。お盆明けは台風の影響もあり、色々スケジュールが変わり、いつも以上に大変だったのではないでしょうか。
私自身も、前職で13回の転勤を経験し、14の支店に携わってきました。一番短い在籍期間では、10ヶ月ちょっとという支店もありました。
転勤の先々では、組織から求められる事、私の出来る事、やりたい事、様々でした。また、自分自身の内的キャリアも変化しており、キャリア中期と言われる35歳位までは、組織の中で明確なアイデンティを確立し、自分自身の仕事の責任だけではなく他者を含めた責任を心地よくも感じていました。その後、キャリアの中期と言われる時期には、自分のキャリア・アンカーや才能、価値を知るようになり、現実を受け入れるか、将来をどのように描く事ができるのか?と、とても悩む時期でした。
今でこそ、そう考える事が出来ますが、当時は、「よし!やってやろう」と意気込んで新天地に向かっていた自分が、転勤を繰り返す中、いつしか、「このままでいいのか、いつまで転勤を繰り返すのか?」と頭と心と現実の不協和を感じており、変わっていくキャリアに不安を感じていました。人生の中での数々の転機は、この異動や転勤に紐づいていることや、様々な出会いがあり、私のキャリアを形成してきたと言えます。
そして、転勤や異動というものは、新しい環境や文化を体験させる機会を提供します。これにより、異なる視点やスキルを習得し、組織内でのキャリアアップの可能性を広げる事ができます。さらに、社内のコミュニケーションやコラボレーションを促進し、異なる部署や地域間の理解を深める手段ともなります。しかし、デメリットも存在するわけで、生活基盤の変わる事の不安や人間関係、個人の精神的な健康に悪影響を及ぼすリスクも考慮する必要があります。
『キャリア・サバイバル』
めまぐるしい技術革新や、グローバル化が進む中で、キャリアに関する個人の考え方も多様化しています。複雑な環境の中で成長していくためには、自分自身の価値観を大切にしながらも、企業が求めるニーズとうまく擦り合わせ、馴染ませて、キャリアを築いていく必要が出てきたのです。
「サバイバル」という言葉には、困難な環境で生き抜くといった意味があります。
効果的な「キャリア・サバイバル」には、個人と組織双方の理解と連携が欠かせません。バランスが必要なのです。一方的な期待や意見の押し付けは効果を損なう可能性があります。日々のコミュニケーションはとれているよ・・・と思っていても、組織が期待する事が十分に言語化されずに伝わっていた、そんなはずじゃなかった、というケースも考えられます。その歪の一つ一つがキャリアの不明確に繋がり、モチベーションの低下や離職・転職に繋がるかもしれません。
だからこそ、自分にとって仕事をする上で譲れない価値観を大切にしながら、組織のニーズと調和し、組織で活躍していく、という「キャリア・サバイバル」は、必要な考え方なのではないでしょうか。
その「キャリア・サバイバル」の観点から「転勤」を考えると・・・
転勤は自分の市場価値を高める絶好の機会ととらえる事が出来ます。異なる職場環境や仕事の経験は、個人の柔軟性や問題解決能力を高め、競争力のあるプロフェッショナルとしての成長を促します。特に、グローバル企業においては、国際的な経験が昇進やキャリアの発展において重要な要素となるため、転勤経験は大きな武器となり得ます。
では、その機会をより良いものにする対策や支援は・・・・
企業が従業員に対して十分なサポートを提供することが重要です。具体的には、転勤前の事前研修や情報提供、転勤先での生活サポート、メンタルヘルスケアの提供などが考えられます。また、転勤後のフィードバックを基にしたキャリア開発プランの見直しや、転勤を希望しない従業員に対する代替キャリアパスの提示も重要です。
実際に私も経験したように、20代、30代、40代では、発達段階での変化もあり、課題や捉え方も変わります。外的キャリアだけではなく、内的キャリアと人そのものをきちんと扱う事で、共に成長でき生産性を生む機会になります。
そして、転勤がもたらす課題を無視せず、従業員一人ひとりの状況に応じた柔軟な対応が求められます。企業は転勤を通じて従業員の成長を支援し、持続可能なキャリアパスを提供することで、長期的な人材確保と組織の発展を実現できるのではないでしょうか。
まだまだ暑さ残る9月。
新たな地でキャリアをスタートさせた方々が、これからも、自分らしく!生き生きと!幸せに歩んでいける事を願って。