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自分は何番目のレンガ職人か?四人目のレンガ職人とは?

城戸 貴子

「現状・・・自分は何番目のレンガ職人かな?」

「自分はレンガを積み上げ何をつくりたいのかな?」

「大聖堂を建てる目標の先にある目的はなんだろう?」

ある企業でリーダー研修を行い、その中で、寓話にある「三人のレンガ職人」の話をしました。その寓話から、今の自分を見つめ直し、働く姿勢や仕事の意義、キャリアビジョンを描くという時間がありました。それぞれが色々な捉え方や感想があり、自分の頭の中にあるものを少しずつ言語化し、周りの仲間の意見を聞き、再度自分を見つめ直し言語化するという、とても貴重な機会になりました。

「三人のレンガ職人の寓話」は、若者の育成における重要な視点を提供してくれる寓話です。この物語には、同じ仕事に取り組む三人の職人が登場しますが、彼らはそれぞれ異なる視点から自分の仕事を語ります。

  1. 一人目の職人は「レンガを積んでいる」と答えます。彼は日々の労働をただの作業として捉え、目の前の仕事をこなしているにすぎません。
  2. 二人目の職人は「壁を作っている」と言います。彼は自分の仕事を少し広い視野で捉え、最終的に完成するものについて考えています。
  3. 三人目の職人は「大聖堂を建てている」と語ります。彼は自分の仕事が大きな目標の一部であり、その目的が何であるかを深く理解しています。

この寓話は、若者の育成において何が重要であるかを示唆しています。若い世代をただ作業に従事させるのではなく、彼らに自分の役割やその目的を理解させることが必要です。現代の企業環境では、若者が与えられた仕事の背景や、それがどのようにして組織全体や社会に貢献しているのかを理解し、自己の成長やキャリアビジョンを明確にすることが大切です。

ポイントとしては・・・・

  1. 目標設定とビジョンの共有
    三人目の職人が持っているような「大聖堂を建てている」という視点は、ビジョンを持つことの大切さを教えてくれます。若者が日々の業務に励む中で、将来的な目標や組織全体のビジョンをしっかり共有することで、彼らのモチベーションを引き出すことができます。
  2. 自己の役割に対する理解
    二人目の職人のように、自分の仕事が何を生み出しているのかを知ることは、業務への取り組み方を変えます。若者に対しては、彼らが何をしているのかだけでなく、その仕事がどのような価値を生むのかを理解させる機会を与えることが重要です。
  3. 自己効力感の向上
    一人目の職人のように、ただ目の前の作業をこなすだけでは、やりがいや成長の実感が得られにくくなります。若者が自分の仕事を単なる「レンガ積み」と捉えないように、フィードバックを通じて自己効力感を高め、挑戦的な課題を与えることで、成長を促すことが必要です。

三人のレンガ職人の寓話は、育成において目先の作業に捉われることなく、大きなビジョンや目的を持って働く姿勢を若者に植え付けることの重要性を示しています。企業が若者を育成する際、ただ仕事を教えるのではなく、その仕事の意義や自己成長への繋がりを理解させ、組織全体に貢献する感覚を育むことが鍵となります。

今回、色々話をする中であるメンバーが「自分の奥底にある感情を思い出しました。そうだったんだ、自分はその為に今があるんだ・・・」とちょっとビックリした表情で話をしていました。自分が今在る目的を知り、自分を承認し、そこから今よりも少し広い視野でこれからのキャリを描くきっかけになったのではないでしょうか。

その自分で出した現在の最適解は、これから起こりうる困難や迷いさまよった時に、一筋の光となり歩み続けることができるのでは?荒波にもまれても錨をおきゆるぎない自分がいるのでは?と、これからの成長を想像し嬉しくなりました。

そして、三人のレンガ職人に続く、四人目のレンガ職人とは・・・。

さらに一歩進んだ視点を持つ職人として考えられます。三人目の職人は「大聖堂を建てている」というビジョンを持ち、自分の仕事の大きな意義を理解していますが、四人目の職人はそのビジョンを超えて、仕事の過程や周囲との関係、社会全体との繋がりにまで意識を向ける存在です。そして、その姿を想像すると、きっと、楽しくてしょうがない、夢中になって創造し続けている、そんな姿が見えてきます。

「四人目のレンガ職人」とは、単なる作業やプロジェクトの達成に留まらず、仕事の影響や持続可能性、そして他者との協力を重視する存在です。企業においては、こうした視点を持つ人材を育成し、支援することで、組織全体がより大きな価値を創造し、社会に貢献することが可能になります。四人目の職人は、未来を見据えたリーダーや、社会的意識を持った象徴とも言えるのではないでしょうか。現代の目指すべきリーダー像ですね。

ABOUT ME
城戸 貴子
城戸 貴子
キャリアコンサルタント
九州女子短期大学体育科卒業。小学生から短大まで水泳とソフトボールに明け暮れる日々を送る。卒業後、大手スポーツクラブで勤務。退職後、キャリアコンサルタント国家資格取得。「自分らしく」「生き生きと働く」ライフキャリアやワークキャリアを考え、歩んでいけるお手伝いをします。自分も周りも幸せになる世界を目指して。趣味:音楽鑑賞・ライブ参戦・読書(本屋さんが大好き)・空を見るのが大好き 好きな言葉は「雨過天晴」自分のキーワード「挑戦する・感謝する・ワクワクする」
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