労い(ねぎらい)という魔法
「自分の周りで日常に「ねぎらい」はありますか?」
と問いかけられ「ねぎらい?とは?」と考えました。皆さんの周りには日々ありますか?皆さんは意識して労いの言葉を使っていますか?
労いとは?
「労い」とは、相手が行ってくれた事に対して労わりの意を示す際の言葉として用いられたとされています。そして、「労いの言葉」とは、努力や骨折りに対して感謝する気持ちを表現する言葉のことです。上司や同僚、友達や家族から「お疲れ様」「いつもありがとう」と労いの言葉をかけてもらうと嬉しい気持ちになるのではないでしょうか。
労いの言葉の効果
□心理学的な視点
・承認欲求を満たす
マズローの欲求階層説にもあるように、人間には自分の存在や努力を認められたいという「承認欲求」があります。労いの言葉をかけることで、この欲求が満たされ、相手はモチベーションを高めやすくなるのではないでしょうか。
・ポジティブな感情を引き出す
労いは、感謝や共感の気持ちを直接伝える行為です。この行為は受け取った側の脳内でドーパミン(幸福ホルモン)が分泌されポジティブな感情が生まれます。
・ストレスを軽減する
労いの言葉をかけられると、相手は「自分が価値ある存在だ」と感じられ、ストレスがやわらぎます。また、労う側も感謝の気持ちを表すことで、心がアダやかになるという研究もあるようです。
□人間関係の向上
・信頼関係の構築
労いの言葉は「あなたの行動や存在を私は見ていますよ」というメッセージを含みます。これにより信頼が深まり関係が良くなります。もちろん、日々の仕事ぶりを見ている・・・という日々の積み重ねが生きてくる言葉でもあります。
・相手を動かす力
評価ではなく、労いを伝えることで、相手は「自分の努力が認められている」と感じ、更に頑張ろうとする意欲がわくのではないでしょうか。絶妙なタイミングで声をかけてくれる上司に、もっと応えたい!と感じ、感謝の言葉を伝えてくれる友人に、もっと喜ばせたい!と思う事があるのではないでしょうか。
・感謝の伝染効果
ポジティブな感情は伝染します。労いの言葉をかけることで、相手も他者にポジティブな言葉をかけるようになり、良い循環が生まれます。プラスのストロークは、自分も相手もプラスになるのです。
そして、評価ではなく、感謝や労いを伝えることが人間関係を温かくする重要な要素です。例えば、食事の場面で「美味しかった!」という言葉や、職場でよく聞く「凄いね!」は、ポジティブな言葉ではありますが、評価をしている言葉になります。
ねぎらいを評価にしないためのコツ!!
・行動やプロセスにフォーカスする
評価的な言葉ではなく具体的な行動や努力に焦点を当てて感謝を伝えます。
「このレポート素晴らしいね」→「忙しい中で、この短時間でこのレポートを仕上げてくれてありがとう。○○の部分が特に助かりました。」
・感謝の背景を具体的に伝える
相手の行動がどのようにチームや自分に貢献したか、背景を具体的に伝えると、評価ではなく感謝として受け取れるのではないでしょうか。
「プレゼンが上手だったね」→「プレゼン資料を丁寧に準備してくれてありがとう。特にデータの解説が分かりやすくて、クライアントも納得していました。」
・感情を交えて伝える
感謝に自分の気持ちや感情を加えることで、労いの言葉が評価と区別され、より心が伝わるのではないでしょうか。
「デザインが綺麗だね」→「このデザインを見た時、とてもワクワクしました。プロジェクトに彩を添えてくれてありがとう。」
・アイメッセージを活用する
労いには「私は〇〇と感じた」というアイメッセージを加えると、より個人的な感謝が伝わります。一般的な表現よりお互いの距離が近くなるキッカケになるのではないでしょうか。
「その提案は良いアイデアだね」→「私はその提案を聞いて、チームの課題解決に光が見えたと感じました。丁寧に準備してくれてありがとう。」
このようなコツを知り、少しでも自分の言葉にし、意識して日常に取り入れることで、職場でも自然にねぎらいを伝えられ信頼関係が深まり、働きやすい雰囲気をつくるのではないでしょうか。
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