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自分の感情を深く探求してみませんか?

城戸 貴子

「そのとき、どんな気持ちになりましたか?」

と問いかけられ、確かにココに感情があるのは分かるけれど、それがどんな感情なのか?その感情にはどんな名前をつけたらいいのか?感情を直接表現するのは難しい事があります。特に、強い感情(悲しみ・怒り・不安など)は、言葉にするとその感情がより鮮明になり、かえって話しづらくなることや、または、「そんな言葉では表現しきれない」という事もあるのではないでしょうか。

そのような時に、比喩を使う事で感情を表現しやすくなることがあります。

□比喩を使い感情を客観視する

比喩を使う事で、一歩引いた視点で感情を見つめることができるというもので、感情を「モノ」や「自然現象」に置き換えることで、自分の中にある感情を整理しやすくなるのです。例えば・・・不安という感情を比喩で捉えるとしたら、

「今の気持ちはどんな色ですか?」→「どんよりとした灰色かな」→「その灰色はどんな感じですか?」→「なんだか霧がかかったような、すっきりしない感じですかね~」というように、よりさまよい迷っている感じや漠然とした不安感が感じ取れるのではないでしょうか。

□無意識の感情を引き出しやすくなる

また、人は自分の感情をすべて意識できているわけではありません。「何となくモヤモヤする」「気分が晴れない」といった曖昧な感覚がある場合、直接的な言葉にするのは難しいものです。比喩を使う事で言語化しにくい感情を自然に表現できる、無意識の感情が選んだ比喩に表れるという事があります。

□感情のニュアンスを表現する

そして、感情のニュアンスを繊細に表現できるということもあるのではないでしょうか。シンプルな「嬉しい」「悲しい」だけでは表せない複雑なものです。焦りの感情を、「ブレーキの効かない自転車で坂道を下ってる感じ」など、感情の強さや揺らぎも含めて表現できたり、相手がどの言葉を選ぶかによって気持ちの微妙な変化やその背景が見えてくるという事もあるのではないでしょうか。

□安全な心理的距離を保てる

直接「なぜ悲しいのですか?」と聴かれると話しにくさを感じる事があるかもしれません。比喩を使うと、感情を「自分の一部」ではなく「外のもの」として表現できるため、感情を語るハードルが下がり、負担が少なくなり話しやすさに繋がるということもあるかもしれません。「私」ではなく「比喩の対象」について話す事で心理的な安全を確保できるのです。

以前、言葉の少ない方だったのですが、絵具の色で感情を表現され生き生きとご自分の事を話されるという機会がありました。そこからどのような絵を描いているのか?本当はどんな絵を描きたいのか?描いているのはどのような場所か?など色んな方向へ話が広がり、ご自分で深く広く内省されていくことがありました。

□より具体的な気づきが得られる

比喩を使った後、その比喩をさらに掘り下げることで自分の感情をより深く理解できることもあるのではないでしょうか。「なぜその比喩を選んだのか?」を問いかけることで無意識の感情に気づきやすくなり、「なるほど、だからこう感じていたのか」と気づきを得るプロセスが生まれるのです。表面的な感情ではなく、本当の気持ちに気づけるのかもしれません。

改めて思うのは、比喩を使うまでには、もちろん、相手との十分な信頼関係が築けているからこそのことです。自分の感情を整理し、自分自身の理解を深め、次のステップへ進むためにも、比喩を使い感情を表現してみることで「本当の自分」に出会うきっかけになるのではないでしょうか。そして、その内省を深めるにはなかなか一人ではたどりつけません。だからこそ、その内省をサポートするきっかけや相手が必要なのだと考えています。ちょっと立ち止まり自分について考える時間がこれからの自分を支え、力強い一歩になるのではないでしょうか。

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ABOUT ME
城戸 貴子
城戸 貴子
キャリアコンサルタント
九州女子短期大学体育科卒業。小学生から短大まで水泳とソフトボールに明け暮れる日々を送る。卒業後、大手スポーツクラブで勤務。退職後、キャリアコンサルタント国家資格取得。「自分らしく」「生き生きと働く」ライフキャリアやワークキャリアを考え、歩んでいけるお手伝いをします。自分も周りも幸せになる世界を目指して。趣味:音楽鑑賞・ライブ参戦・読書(本屋さんが大好き)・空を見るのが大好き 好きな言葉は「雨過天晴」自分のキーワード「挑戦する・感謝する・ワクワクする」
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