4Sで自分を支え、転機を楽しんでいきませんか?

「色々がなかなか上手くいかないし、父も病気が見つかるし・・・。今、私、転機だわ~」と、大変な状況の中、笑顔で話す友人は、とてもポジティブで力強く感じました。
職業人生において、転機は避けられないものです。特に歳を重ねると、転勤や配属転換、転職といった変化が、これまで以上に重く感じられることもあるかもしれません。しかし、シュロスバーグの理論では、「転機はその人がある出来事を転機と捉えることによってはじめて転機となる」とされています。つまり、同じ出来事でも、それをどう意味づけするかによって、転機の影響は大きく変わるのです。
また、シュロスバーグの「人それぞれがその人独自の転機を経験している」という考え方は、とても興味深く、私自身この考え方に救われた経験があります。他者からの評価や見え方に左右されず、まずは「自分がどう捉え、乗り越えていくのか?」を考える事からなのかもしれません。そして、その過程を楽しむ事も大切なのではないでしょうか。
職業的発達は転機の連続であり、その課題の一つに「転機への対処スキル」があります。転機をどう捉え、対処し、乗り越えるのか?という点です。
◇転機を自覚することで、学習と成長の機会になる
シュロスバーグの理論では、同じ出来事でも「転機」と認識しなければ、それは単なる日常の一コマとして流れてしまいます。しかし、「これは自分にとっての転機だ」と認識することで、その出来事から学ぼうとする姿勢が生まれ、成長につながります。
例えば、上司が異動し、仕事の進め方が変わった → ただの変化として流すのか、それとも「自分のリーダーシップを発揮する転機」と捉えるのかで成長の方向が変わります。
◇主体的なキャリア形成につながる
転機を自覚することは、職業的発達において「自分でキャリアをつくる」姿勢を持つことにつながります。受け身ではなく、「この変化にどう対応し、どう成長するか?」と自ら考え行動することで、職業人としての成熟が進みます。
例えば、転職や配置転換を「不運」と捉えず、「新しいキャリアの可能性を探る機会」と捉えて行動する。
◇自分にとっての意味づけを通じて、職業的アイデンティティを形成する
転機と認識することは、「なぜこの出来事が自分にとって重要なのか?」を考えるきっかけになります。これにより、自分の価値観・働く目的・キャリアの方向性を見つめ直す機会となり、職業的アイデンティティが明確になります。
例えば、家庭の事情で働き方を変える → 「自分にとって大切なのは何か?」を問い直し、仕事と人生のバランスを再構築する。
◇転機を乗り越える力(レジリエンス)が育つ
転機を転機と認識し、それを乗り越える経験を積むことで、次の転機にも対応できる力(レジリエンス)が高まります。シュロスバーグの理論でいう「4S(状況・自己・支援・戦略)」を意識し、対処スキルを磨くことで、長期的なキャリアの安定につながります。
1. Situation(状況) 〜 変化を整理する
まず、起こった変化を整理することが重要です!
2. Self(自己) 〜 自分自身のリソースを見つめ直す
次に、「自分はこの状況をどう受け止めているか?」を考えてみます。
3. Support(支援) 〜 周囲のサポートを活用する
転機のときこそ、家族・友人・同僚などの支援を積極的に活用しましょう!
4. Strategies(戦略) 〜 具体的な行動を決める
最後に、転機に適応するための具体的な戦略を立てましょう!
結果として、転機をただの変化ではなく、キャリアを前進させる機会にすることができるのです。この視点を持つことで、キャリアの転機に対する見方が変わり、より前向きな職業的発達につながるのではないでしょうか。転機をネガティブに捉えてしまう一因は、「変化=リスク」と思いがちだからです。ですが、シュロスバーグの理論でもあるように、「転機は捉え方次第」。「この変化をどう活かせるか?」という視点にシフトすると、チャンスが見えてくるのではないでしょうか。
自分という木を、どのような木にしたいのか?どんな方向に枝葉を伸ばすのか?どんな花を咲かせるのか?色々な転機、その一つひとつが栄養となり、さらに自分という木を強くしなやかに実らせるのではないでしょうか。
転機を迎えているみなさん、今、どの「S」に注目しますか?
明日からの自分を支えるために、ぜひ「4Sで自分を支える」ことを試してみてはいかがでしょうか?
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