私のキャリアのWhy?を考える

「私はもう必要ないのかも・・・」
「もう、仕事辞めようかなって思うんだよね・・・」
先日、友人と話していたとき、そんな一言が返ってきました。いつも前向きで明るい印象の彼女から出た言葉に、少し驚きました。理由を尋ねると、意外にも、大きな出来事があったわけじゃないようでした。ただ、ある日、同僚から何気なく言われた一言で、「あとはこっちでやるので大丈夫です」その言葉が心に引っかかったとの事でした。
「私、もう必要とされていないのかもしれない」
そう感じた瞬間から、仕事や仕事を続ける熱意が少しずつ薄れていったのだそうです。
■ ライフテーマという視点で考える
キャリア構築理論を提唱したサビカスは、キャリアを「物語」として捉える視点を重視しています。私たちのキャリアは、ただの職務経歴の羅列ではなく、「どんな人生を歩みたいか」「自分はどんな人間でありたいか」といった、自分なりの“意味づけ”によって形づくられ、それが未来に繋がっていくという考え方です。そして、その中心には「ライフテーマ」があるといいます。
友人の話を聞いて、彼女にとって「誰かの役に立つこと」「必要とされる存在であること」は、単なる願望ではなく、彼女自身の物語に深く根ざしたライフテーマなのかもしれません。
■ 「必要とされたい」は誰もが持つ感情
社会から、職場から、仲間から——誰かに必要とされていると感じることは、私たちが自分の存在価値を実感する瞬間なのではないでしょうか。そして、それは、決して特別なことではないのです。
特に、人生経験を重ねるほどに、成長や成果だけでなく、「この場所で自分は意味ある存在か?」という問いが心に浮かぶようになるのです。だからこそ、ちょっとした言葉や態度が、大きな影響を与えるのかもしれません。
■ 部下への言葉、同僚との関係
皆さんは部下や同僚に、いつもどんな声をかけていますか?
忙しさに追われて、「ありがとう」「助かったよ」という一言を、つい後回しにしていなかったでしょうか?部下も同僚も、表情には出さなくても、「自分はここにいていいのか」「自分の役割はあるのか」と、心の中で問い続けているのかもしれません。
だからこそ、感謝や信頼を言葉にすること。小さくても誰かの貢献に気づき、「あなたがいてくれてよかった」と伝えること。それは、目には見えないけれど、チームの土台を支える大切な関わり方ではないでしょうか。
話の最後に友人は、「職場が嫌いなわけじゃないんだよね。ただ、自分が何のためにそこにいるのか、見えなくなってただけかな~でも、やっぱり働くの、好きなんだと思うし、誰かの為にまだやれる事はあるかもしれない・・・」
彼女は、「必要とされたい」気持ちの奥に、「自分もまた、誰かを必要としている」思いがあったということ、人は、支えることで支えられ、与えることで満たされていく存在なのではないでしょうか。
サビカスは、「キャリアは自分で意味づけし、再構築できるものだ」と語ります。つまり、今の出来事にどんな意味を与えるかで、これからのキャリアの物語は、いくらでも書き換えることができるのです。
「必要とされたい」という感情が浮かぶとき、それはあなたのライフテーマがあなたに問いかけているサインかもしれません。そして同時に、あなたが誰かに「必要だよ」と伝えることで、その人の物語もまた、前に進み始めるのかもしれません。
あなたは今日、誰を必要とし、誰に必要とされましたか?
その答えの中に、あなたのキャリアのヒントがあるかもしれません。
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