「誰かのために働く」というキャリアの力

みなさんは「なぜ働くのか?」と聞かれたら、どのように答えるでしょうか。
「世の中のため」「社会貢献のため」「会社のため」「家族のため」──そんな答えが多いかもしれません。もちろん、どれも大切な理由です。ですが、日々の現場で私たちを本当に突き動かしているのは、もっと身近で具体的な存在かもしれません。
それは、「この人と一緒に働きたい」「この人の役に立ちたい」という気持ちです。
「誰かのために頑張れる」人の姿
先日、ある友人がこう話してくれました。「〇〇さんのために!って気持ちがあるから頑張れたんだよね」その言葉を語る彼の表情は誇らしげで、迷いのない強さを感じました。社会人になった今、きっと周囲からも「一緒に働きたい」と思われるような関わり方をしているのだろう、と私は感じました。
また、別の友人も、環境の変化が続くなかで、自分の意思で新たな道を選び取り、前職でも前々職でも常に求められる以上の働きと気遣いを見せてきた人です。その彼女も「私は誰かのために働くってことが、私の働き方なんだよね~」と楽しげに語っていました。
二人共、若いながら、自分の在り方や働き方の根幹をしっかり持っている姿は頼もしく、尊敬でしかありません。
私は二人の言葉を聞きながら、「これからも続いていく自分のキャリアの景色のひとつは、この『誰かのために働く』という姿なのだ」と改めて実感しました。
「この人と働きたい」が持つ力
キャリアの中で強く印象に残っているのは、「尊敬できる上司や先輩との出会い」や「共に頑張った仲間の存在」ではないでしょうか。大きな理念や評価以上に、目の前の「誰か」のために力を尽くした経験は、後々まで心に刻まれます。
「誰かのために」という気持ちは、モチベーションを一過性のものにせず、困難を乗り越える粘り強さや挑戦心を育みます。まさに、キャリアを形づくる根幹の力となるのではないでしょうか。
上司・リーダーにとっての意味・・・
30代~40代になると、自分が誰かにとっての「この人」になれるかどうかが問われます。特に上司やリーダーの立場では、部下や後輩から「この人と働きたい」「力になりたい」と思われるかどうかが、チームの力を左右するかもしれません。
厳しい指導をしても、真摯に仕事に向き合う姿勢や人としての信頼感が伝われば、人は「応えたい」と感じます。逆に、言葉と行動が一致していなければ、どれだけきれいな理念を語っても人はついてこないのではないでしょうか。
みなさんのキャリアの中にも、「あの人のおかげで今がある」と思える存在がいるのではないでしょうか。その人との出会いや共に過ごした時間が、自分の働き方や価値観に大きな影響を与えていることに気づくと、キャリアの核心が見えてきます。
そして同時に、自分自身が「誰かにとってのその存在」になれているかを考えてみることも大切です。部下や後輩、あるいはお客様や取引先にとって、あなたは「一緒に働きたい」と思える人でしょうか。
「誰かのために働く」という気持ちは、単なる奉仕や自己犠牲ではありません。尊敬や信頼を寄せる相手に貢献したいという気持ちが、自分自身の成長やキャリアの成功体験につながります。
そして、上司やリーダーにとっては、自分が「誰かにそう思ってもらえる存在」になることが、チームや組織を大きく成長させる力になります。
世の中のため、会社のため──その前に、まずは目の前の「誰かのために」。
その一歩一歩が、自分自身のキャリアの根幹を形づくり、やがて大きな社会的価値につながっていくのではないでしょうか。
来月、その友人が結婚します。きっと色々を思い出し、成長した喜びと共に、きっと号泣する事になると思います・・・・
おめでとう。

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