仕事がうまくいかない日の整え方
「今日はなんだかうまくいかないな~」
どれだけ経験を積んでも、そう思う日はありませんか?
手を抜いているわけでもないし、気持ちが切れているわけでもない。それでも、妙に噛み合わない。集中しているつもりが、結果はついてこない。いつもなら流せることにイラッとしたり、思考がまとまらなくなったり。誰にでもある“揺らぎ”の一日ではないでしょうか。
ただ、こうした日に限って、私たちはつい自分を責めがちになります。
「自分の何が悪いのだろう」
「もっと頑張らなきゃいけないのか」
「気持ちが弱いのかもしれない」
気づくと、原因探しをしてしまい、余計に視野が狭くなってしまい、余計にパフォーマンスが落ちていくものです。
実際、忙しさが続くと、人の思考は自然と“目先”に偏ります。判断の幅も狭くなり、選択肢は急減します。これは能力の問題ではなく、脳の仕組みとして普通に起こることのようです。リーダーであっても同じで、むしろ責任が重い分、視野が縮こまりやすいかもしれません。
だからこそ、うまくいかない日は“自分がダメな日”ではなく、“整えるべきサイン”と捉えてみることが大切です。
“整える”と言っても、大げさなことをやる必要はなく、例えば、席を立って背伸びをするだけでも、気持ちは少し軽くなります。五分だけ外に出て空気を吸う、深呼吸をひとつ丁寧にする。そんな小さな行為が、驚くほど思考の滞りをほどいてくれます。
そして、リーダーとしての“もうひとつの選択”は、あえて言葉にしてみることです。
「なんだか今日はうまくいかないから、ちょっと気分転換するわ~」
たったこれだけでも、職場の空気は変わります。リーダーがそう言えるチームは、どこか柔らかい空気を感じ、リーダーの人間らしさも伝わり、周囲も息をつきやすくなるのではないでしょうか。部下も“調子が悪い自分”を無理に隠さなくてよくなります。
リーダーのひと言が、場の硬さを解き、働く人の安心につながっていきます。
結局のところ、仕事というのは誰か一人で完結するものではありません。「自分だけでなんとかしよう」と思い込むと、視野はさらに狭くなります。リーダー自身が気分転換や思考の切り替えを言語化して見せることで、“支え合いながら進むスタイル”をチームに示すことができるのではないでしょうか。
気分が上がらない日は、自分の働き方の癖や、無意識の疲れに気づくチャンスでもあります。
思考が固いと感じたら、それは“調整のタイミング”です。立ち止まることは、逃げでも弱さでもありません。むしろ、チームのためにも、次の一歩のためにも必要な行動です。そして、整えることから生まれる小さな一歩は、意外と大きな変化につながるものです。
メール一通を片づけただけでも気持ちの流れが整い、ストレッチひとつで視野が戻ります。また、5分のコーヒー休憩で判断がクリアになったり、仲間との雑談が気持ちを上げてくれます。
そんな“小さな回復”が、仕事を前に進める力になるのではないでしょうか。
リーダーという役割は、自分を整えながら周囲を支えていく、簡単ではない役割です。だからこそ、うまくいかない日の自分を責めすぎず、整える姿勢をチームに見せていくことが、結果的にチーム全体の働き方を整えることにつながります。
今日は、整える日でいい。
そこから生まれた一歩は、必ず明日のあなたと、あなたのチームを助けてくれます。
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