「今」が未来を動かす
私の2025年を振り返る「今年の一文字」は──『今』
年末のこの時期になると、世の中ではその年を象徴する漢字が発表されますが、皆さんの「今年の一文字」はどんな一文字でしょうか?
私が選んだのは、『今』。実は、年初にはこれほど“今”という漢字を強く意識する一年になるとは思っていませんでした。
今年は、転居、生活スタイルの変化、初めての面談、各種エントリー、受検、学会参加、そしてチーム作り……。どれも本来は「来年」「もう少し準備ができてから」と考えていたことばかりでした。ですが、心のどこかで「今しかない」「今がそのタイミングだ」という声が背中を押し、気づけば予定よりずっと早く挑戦を重ねていました。
もちろん、勢いやワクワクだけでは進めません。不安も常に隣にいて、迷いや葛藤とセットで日々を走り抜けてきた気がします。それでも、「今やると決めた自分」を信じたことで、予想もしなかった景色にたどり着くことができました。
「今」を選んだ行動は、キャリア開発の核心にある
キャリア理論では、キャリアは“点”ではなく“線”で理解します。しかし、その線をつくるのは、結局「今、何を選ぶか」という無数の瞬間です。
今年の私の挑戦はまさにその連続であり、未来のキャリアをつくる土台となりました。
1.“先送りにしない”ことがキャリアを動かす
私たちは「いつか余裕ができたら・・・」と考えがちです。リーダーとしても同じで、「もっと整ってから」「準備がそろってから」とチームの施策を後回しにしたくなる場面は多いのではないでしょうか。
しかし、今年私が経験したように“少しの不安と一緒に動く”ことでしか手に入らない学びがあります。今年、未来の予定だったことに手をつけたことで、私自身のキャリアのラインは確実に前進しました。キャリアが動くのは、完璧な環境が整った時ではなく、“動こうと決めた今”なのかもしれません。
2.迷いと不安は「行動の副作用」であり、弱さではない
挑戦には迷いがつきものです。「やる気の足りなさ」ではなく、行動した証拠なのだと考えることが重要なのではないでしょうか。
不安があるからこそ人は準備をし、周囲に相談し、学ぼうとします。これはキャリア開発においても非常に価値の高いプロセスです。むしろ、完全に不安ゼロで挑戦する方が少し危険かもしれません。
3.「今」の選択を積み重ねると、キャリアの“偶発性”が味方になる
キャリアの理論の中で「計画された偶発性理論」という考え方があります。簡単にいえば、行動している人にだけ偶然のチャンスが訪れ、それがキャリアの飛躍につながるというものです。今年の私に起きた出会い、学び、新しい役割の機会は、まさにその例なのです。“来年やる予定のこと”を今年やったからこそ、予想外のつながりが生まれました。
リーダーとしても同じで、今動いた小さな一歩が、チームの未来に大きな影響を与えることがあるのではないでしょうか。
4.「今」を起点に、来年のキャリアテーマを描く
一文字は“これまでの振り返り”であり、“未来のテーマ設定”にもつながります。では、『今』を選んだ今年から、来年へどうつなげるか・・・例えば、
「今、気になっている課題に向き合う」
「今、チームで必要な対話を置き去りにしない」
「今、気づいた成長の兆しに力を注ぐ」
「今、学びたいことを学び始める」
“今をおろそかにしない姿勢”は、キャリアの推進力に繋がります。また、来年の一文字をあえて決めるなら、「進」「動」「磨」「飛」「挑」など、未来へ向けて伸びていく漢字を選んでみるのもよいかもしれません。
今年の私の一文字『今』は、振り返れば“覚悟の一年”でした。完璧ではなくても動く、迷いながら進む、不安と一緒に挑戦する。その積み重ねが、キャリアの線を確かに太くしてくれたと感じています。
皆さんの一年を象徴する一文字は何でしょうか?
そして、その一文字は来年のキャリアにどんな意味をもたらすでしょうか?
“今の自分”を見つめることで、未来の可能性は大きく広がります。
どうか、来年のあなたがさらに豊かなキャリアを歩めますように。
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