今年育った“内面的成長”に目を向ける
部下や後輩、同僚の方へ、2025年最終日にどんな声をかけますか?
年末の振り返りというと、多くの組織では「成果」「達成」「売上」など、分かりやすい実績が中心になりますが、今年一年の変化の本質はもっと目に見えにくいところにあるのではないでしょうか。それは『内面的成長』です。
『内面的成長』とは、思考・感情・価値観・判断基準が変化していくプロセスのことです。外からは気づかれにくい一方で、来年以降の行動の質を決定づける“見えない土台”になります。
そして、リーダーや先輩、上司としてこの『内面的成長』に光を当てることは、部下の自己肯定感を育み、主体的な行動を引き出し、同時にリーダー自身の視野も育てます。
■部下の「内面的成長」に目を向けることの価値
① 内面的成長=行動の源を理解すること
人の行動は、その人の価値観・思考パターン・感情の扱い方といった“内側”によってつくられています。行動だけを見て評価しても、変化は一過性になりますが、その行動を生み出している考え方や視点に触れると、習慣そのものが変わり始めます。
リーダーがそこに気づき、言語化してあげることで、部下は「行動の背景にある自分の成長」に気づくことができます。
② 自己肯定感が育つ
成果だけを評価すると、結果が出た時だけ肯定されますが、
・視点が広がった
・感情に飲まれず向き合えた
・逃げずに対話に挑んだ
・苦手な相手にも一歩近づけた
など内面的成長を認めてもらえたとき、人は「自分が確かに成長している」と実感できます。この“実感”こそが、自己肯定感の源であり、来年の挑戦につながる心理的な土台なのです。
③ 主体性が引き出される
内面的成長に気づくということは、「自分の変化に責任を持てる」ということでもあります。リーダーがそこに光を当てると、部下は「成果のためにやらされる存在」から「自分の成長を自分でつくる存在」へと変わっていきます。これは主体性の最も核となる部分です。
④ リーダー自身の“目線”も育つ
部下の内側を見る習慣は、リーダーの視野そのものを鍛えます。「行動の背景」に目が向くようになると、
・チームメンバーの変化に早く気づける
・課題の本質を捉えやすくなる
・感情の揺れを予防的に扱える
など、マネジメントの精度が上がります。つまり、部下の成長を見ることはリーダーの成長にも繋がるのではないでしょうか。
■行動を変えるには「習慣」、習慣を変えるには「内側」を知ること
行動を変えたい、と言う人は多いですが、行動は“習慣”に支えられ、習慣は”その人の思考や価値観”に支えられています。
だからこそ、表面の行動だけでなく、内面の変化に目を向けることが、長期的な成長には必須です。
そして、成果よりも「どんなふうに物事を捉え始めたか」「どんな選び方ができたか」を一緒に言語化すると、部下は自分の成長実感を持ちやすくなり、モチベーションは“感情”ではなく“行動の変化”として現れます。
では部下との対話でどのような問いが有効でしょうか?
- 「今年、どんな場面で心が揺れた?」
- 迷った・葛藤した・落ち込んだ・焦ったなど、揺れた出来事こそ成長ポイントです。
- 「その揺れと、どう向き合った?」
- 逃げた・踏ん張った・相談した・視点を変えたプロセスにこそ人の価値観が表れます。
- 「その経験を通じて、何が少し変わった?」
- 行動・考え方・選択基準の“少しの変化”こそ内面的成長の証なのです。
この3つを対話で確認し、リーダーが言葉にして返すことで、部下は自分の成長を“内側から理解”するようになります。
■ そして来年に向けて在り方の目標を共有する
内面的成長を振り返ったうえで来年に設定したいのは、行動目標よりも「在り方の目標」 です。どんな姿勢でチームに関わりたいか?どんな価値観をもって判断したいか?など、リーダーと部下でこの“在り方”を共有できると、来年の目標が行動レベルで自然と整っていきます。
成果は目に見えますが、内面的成長は見えません。
だからこそ、リーダーがそこに光を当てることには大きな価値があります。今年育った“見えない変化”を言葉にし、リーダーと部下が共有していくプロセスが、来年の自律的な行動とチームの成長の基盤になるのではないでしょうか。
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