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“ちゃんとしなきゃ”を少し緩めてみよう

城戸 貴子

「ちゃんとしなきゃ!」

この言葉の呪縛にガンジガラメになることありませんか?

5月のこの時期は“頑張り疲れ”のような状態にもなりやすいのかもしれません。特に新しい環境では、「早く慣れなきゃ!」「ちゃんとしなきゃ!」「頑張らなきゃ!」と、自分自身に力を入れ続けてしまうことがあります。

ただ、この“早く”“ちゃんと”“頑張る”という言葉は、人によって捉え方が違うのではないでしょうか。

例えば、自分では「もっと早く結果を出さなければ」と思っていても、周囲は「まずは慣れてくれたら十分だよ」と考えている場合もあります。また、「ちゃんとやらなければ」と思えば思うほど、視野が狭くなったり、力が入り過ぎたりすることもあります。

このように、実は、自分自身の思い込みが、自分を苦しくしてしまうケースも少なくないのかもしれません。

キャリア・アダプタビリティ

キャリア理論の一つである『キャリア・アダプタビリティ』では、人は変化する環境の中で、自分なりに適応しながらキャリアを築いていく存在だと考えられています。

ただ、ここで言う“適応”とは、無理に自分を変え続けることではなく、むしろ、環境と対話しながら、自分なりのペースや居場所を見つけていくことなのではないでしょうか。

私自身、これまで住居変更を伴う転勤を13回経験してきました。今振り返ると、その度に“適応”が必要だったように思います。新しい職場、新しい人間関係、新しい地域。

毎回ゼロからのスタートです。

もちろん、不安がなかったわけではなく、「早く馴染まなきゃ」「がんばらなきゃ」「迷惑をかけないようにしなきゃ」と、そんな思いが強くなり過ぎて、自分自身でも余裕がなくなっていたのだと思います。特に最初の頃は、“頑張って適応すること”ばかり考えていたように思います。

そんなある時、ふと「この店舗は、どんな地域の中にあるのだろう」と考え、スクールバスの助手席に乗せてもらい、1週間ほど様々なルートを回らせてもらったことがあります。

利用している子ども達の表情はもちろん、時間帯による景色の違い、道路の混雑状況、地域のお店や街の雰囲気など、実際に見てみることで、それまで気づかなかった多くのことが見えてきました。また、スクールバスの運転手の方とも自然と会話が増え、現場ならではの話や地域の情報を教えてもらう機会にもなりました。

その中で感じたのは、「店は一人で動いているわけではない」という当たり前のことでした。

指導者だけではなく、フロントスタッフ、運転手、清掃スタッフ、それぞれの役割が重なりながら、皆で店舗を支え、守っていることに、改めて気づいた時、不思議と少し肩の力が抜けた感覚があったのです。

そして、転勤を繰り返す中で、少しずつ感じるようになったことがあります。それは、「最初から完璧に馴染もうとしなくてもいい」ということでした。

まずは自分から挨拶をする。

少し雑談をしてみる。

分からないことは聞いてみる。

地域を歩いてみる。

そんな小さな行動を重ねながら、“少しずつ慣れていく”くらいの感覚の方が、結果的に長く続けやすかったのです。

また、一人で「早く慣れなければ」と思い込むのではなく、今、自分はどこまで求められているのだろう?まずは何ができればいいのだろうか?と、周囲へ確認してみることも大切だったように思います。

実際には、自分が思っているほど“完璧”を求められていない場合もあります。それなのに、自分だけで基準を高く設定し、自分を追い込んでしまう・・・これは新しい環境だけではなく、日々の仕事の中でも起こりやすいことなのかもしれません。

だからこそ、“一人で頑張り続ける”だけではなく、時には周囲と対話しながら、自分の力の入れ方を調整していくことも必要なのではないでしょうか。

自分自身や場の空気を変えてくれるのは、意外にも“少し力を抜ける時間”で、ちょっとした雑談や、笑い合う時間、「まあ、まずはやってみようか」という空気なのです。そうした余白があると、不思議と人は動きやすくなることがあります。逆に、常に“正解”を求め続けると、人はどんどん固くなってしまうのかもしれません。

変化に適応するというと、「もっと頑張ること」のように感じる時がありますが、実際には、“頑張り続けること”だけが適応ではないのだと思います。

時には、少し力を抜いてみる。

誰かに聞いてみる。

自分の思い込みを見直してみる。

そんな“柔らかさ”があるからこそ、人は新しい環境の中でも、自分らしく動けるようになっていくのではないでしょうか。

新しい環境に慣れようと走り続けてきた時期だからこそ、今、「ちゃんとしなきゃ」を少しだけ緩めながら、自分なりのペースで進めているだろうかと立ち止まってみる。

そんな時間も、長く働き続けるためには必要なのかもしれません。

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ABOUT ME
城戸 貴子
城戸 貴子
国家資格・2級キャリアコンサルティング技能士
九州女子短期大学体育科卒業。小学生から短大まで水泳とソフトボールに明け暮れる日々を送る。卒業後、大手スポーツクラブで勤務。退職後、キャリアコンサルタント国家資格、キャリアコンサルティング技能士2級取得。「自分らしく」「生き生きと働く」ライフキャリアやワークキャリアを考え、歩んでいけるお手伝いをします。自分も周りも幸せになる世界を目指して。趣味:音楽鑑賞・ライブ参戦・読書(本屋さんが大好き)・空を見るのが大好き 好きな言葉は「雨過天晴」自分のキーワード「挑戦する・感謝する・ワクワクする」
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