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中間管理職

中間管理職に効く就業規則

森川 友惠

 こんばんは。特定社会保険労務士の森川友惠です。今日は同業のお友達の事務所で100年就業規則の仕上げを朝からやっていました。昨年の秋からずっとお時間を頂きインタビューをさせてもらったときの文字おこしした資料とにらめっこしながら、文字を加えたり、削除したりの作業。社長の言葉、ひとつひとつが愛おしくて、文字を抜き出すにも相当の時間を要しました。が、やっと終わりが見えてきました。もうひと山超える為に、ここから更に研ぎ澄ましていきたいと思います。

迷える中間管理職の皆様に効く就業規則とは…。

 私自身も、前職で長く部下と上司にはさまれる”中間管理職”であったので、悩み事や困り事はよく理解できます。ついこの間もこんな相談が寄せられました。

『アルバイトスタッフが申し入れた通りに9月末の退職を会社が承認したにも関わらず、年休を全て使って辞めたいから10月末を退職日に変更してほしいと言ってきた…。これは受けないといけないのか?』

…悩ましいですよね。こんな問い合わせが来たら、皆様はなんと答えられるでしょうか?

確かに、一度発生した年休に対しては、会社側は時季変更権しか使えません。(そもそも労働基準法は弱い立場の労働者を守る意図で作られている民法の特別法ですのでどうしても……)でも、今回は、本人の意思を尊重して会社側は9月末退職を承認している訳です。だとしたならば、当然ながら年休も9月末までしか使えない。この辺りを説明する必要があるのではないかと思います。

年休については、2019年に1年で10日以上年休を付与される労働者には5日以上使用させなければならない義務が会社側に課せられましたので、どうしても”使わせる”こと自体が目的になってしまっていると肌で感じています。

が、よく考えて頂きたいのですが、年休はそもそも働く人の心身をリフレッシュをするために設けられた規定であり、その必要もなく消化を目的にするものではありません。また、法律で定められているから当然に取得できるものではなく、みんなで頑張って利益を出せたから、その利益を分け合って取得できるものだという教育が必要なのだと思います。

こんなあたりを盛り込みながら就業規則を作成すると、中間管理職の方に大変喜ばれています。

法律で決まっているので守らなければならない。

 私は社労士ですので、当然ながら『法律で決まっていることなので守ってください』と言わなければならない立場であること重々承知しています。確かに就業規則は常時使用する労働者が10人以上の事業所は遅滞なく届け出ることが労働基準法に定められています。ですが、届け出るよりも重要なことは、労働者の過半数代表者を法律に定められている通りに選出すること、労働者への周知です。これをちゃんと対応せずに届け出たところで、全く意味をなさないのです。

 ですから、就業規則については作成時の作り込みと同時に、いかに、働く人に納得、理解いただけるか…。いわゆる従業員説明会がキーポイント。ここをやらずして、就業規則の周知はありえないと思うのです。また、

『法律で決まっているから、やらなければならない。』

『法律に書いてあるから、合わせなければならない。』

…と、法律ありきで就業規則を考えると、あらぬ方向にいきがちです。どうせ作成するなら、心や魂を込めて腰を落ち着けて作成させることを強くお勧めしています。

皆様の職場の就業規則は規則はいかがでしょうか?

ABOUT ME
森川 友惠
森川 友惠
特定社会保険労務士
京都市下京区で開業しております。前職はコナミスポーツクラブで長年正社員として勤務しておりました。24年間の勤務で異動回数は12回。店舗勤務がその大半ですが、勤務地は長崎~東京まで様々な規模の店舗を担当しておりました。こちらでは、人と人の関係を良くする話、チームのコミュニケーションについてお話しします。
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