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後期高齢者の受付嬢から学ぶ「働く意味」とは?

城戸 貴子

2024年度がスタートしました。真新しいスーツにピカピカの靴、ちょっと緊張した顔で通勤する姿を見かけます。「(きっと色々あるけど・・・)頑張れー!」と心の中で声援を送りました。本年度の新入社員はどこまで頑張れるかな、そんなことを考えてしまいます。

「働く」・「働き続ける」には、これから私の人生どうしたらいいかな。

と考えたことがあります。70歳まで働く事を考えると、あと何年働くことになるのかな、この仕事を続けることができるのかな、と。そう考えた時期に「キャリアコンサルタント」という資格や活動に出会い、私の今があります。そして、その原動力の一つに母の今があります。

後期高齢者の受付嬢

「働ける元気があるうちはね・・・」と言い、現在77歳の母は、カルチャーセンターの受付兼事務をしている。

世間から見たら77歳は後期高齢者ですが、カルチャーセンターでは80歳代後半の利用者も多く、その方達から見たらまだまだ年下です。そしてアルバイト仲間には大学生もいるようで、孫世代と働くアクティブな母である。「いつも電気を消し忘れて帰るから、どうしたものか」といつも色々話をしてくれる。この「電気を消し忘れる」という問題はいつの時代でもある永遠の課題のようです。

カルチャーセンターで働く毎月10日ほどの勤務は、夫婦関係にも必要な日数でありお互いに良い距離感を保てるようです。また、その給与は孫のお小遣いとなり孫との幸せな時間に変わるのです。そして、何よりも夫婦や家族との世界だけでなく、社会との繋がりが大切な世界のようです。その為「もう無理せず・・・」と話をしたら「きついなあと思う時もあるけど、働ける元気があるうちはね・・・」と言うのです。そう話す母は、講師の先生や生徒の方々、同僚との日々を本当に楽しく話をしてくれます。何故いつもそんなに色々起こるのか?とビックリする程、話すネタに尽きることはありません。

そんな母の話を聴くと、「働く」という言葉が、その時々の自分の人生で色々と意味合いが変わっている事に気づきました。それは、「働く」という言葉が「働けない」時期がありその後、「働かなければ」から「働こう」そして「働ける」から「働きたい」「働き続ける」から「働く自分」がいまいるようです。言葉にすると微妙なニュアンスの違いだけなのですが、母の話を聞いていてそう感じたのです。

働くことは苦である???

70歳まで働く・・・ではなく、80歳まで、いや、「いつまで」は関係なく、自分の人生と共に「働く」という事があり、その時々で形は変わり、それぞれで価値を見出している母の姿は教科書にはない見習うべき存在です。現代に良く言われている「働くことは苦である」ことから遠くかけ離れている、やりがいに満ちた姿です。日本の女性の労働力率を引き上げる一役を担い、国の求める働き続ける姿を実践中であります。そして、働くためには心も身体も健康であることが必要な為、スポーツクラブに通い水中歩行と仲間とのおしゃべりで英気を養う日々があります。そう考えると、スポーツクラブは健康産業の役目と労働力維持の役目もあるのだと改めて感じました。

母の働く姿を見て、私もそうありたい、そう思える人生を多くの人が歩めたら・・・と考えています。

キャリアコンサルタントとの出会い

私の話に戻ると、

これからを考えていたその時の私は、終身雇用の道が当然私も通る道なのだと考えていました。ですが同時に、本当にそうしたいのか?本当にそうできるのか?と自問自答した自分を覚えています。違う側面の自分探しをしていたのです。

その時の、私の働くという意味は「水泳のコーチとして子供達に関わる事」で、「泳ぎを通して一人の人生に関わり、育てる、水泳が人生を豊かにする」というテーマを持っていたのですが、自分の想いや考えだけでは仕事はできず、会社から求められるモノとは少し違うようだと違和感もありました。いわゆる、「Will―Can―Must」の輪が離れていくようにも感じていました。

そして、自分自身が悩み続ける日々、周りを見て見ると色んな人がいました。せっかく採用されたのに1年もたたずに辞めていく新入社員、色々な思いや時間をかけ中途採用で入社してきてこれからだという時に辞めていく中堅社員、社員以上に働き力を持て余している主力アルバイトスタッフがこの先を悩んでいる姿等を見る中、今の関りだけではなく自分に何かできないか、、、と考え続けていました。そのような時に「キャリアコンサルタント」という資格に出会いました。「自分らしく、生き生きと、自分の人生を歩き続けるお手伝い」ができると考えたのです。一人で悩む世界はとてもか弱く狭いものです。その限られた世界ではなく、自分自身を見つめ直し振り返り、今ある道を色濃くするのもよし、新たな道を描くもよし、全く違う方向に道を描くもよし。それを決めるのは自分であり、その時に、共に立ち止まり考え、世界を広げていくお手伝いができるのがキャリアコンサルタントだと考えます。

楽しくイキイキと働き続ける為にも、キャリアコンサルタントが側にいる事は必要です。

人は色々な場面や壁に悩みます。

会社の上司は、仕事の悩みをサポートし、キャリアコンサルタントは、仕事とどう関わり人生をどう歩んでいくかという悩みをサポートする。一日でも早く、キャリアコンサルタントとの関りが当たり前で、日常である世界を作りたいと考えています。

「働くことが人生を豊かにする。」

働く意味、楽しさを多くの方へ伝えていく事で、世の中が1mmでも良くなりますように。

ABOUT ME
城戸 貴子
城戸 貴子
キャリアコンサルタント
九州女子短期大学体育科卒業。小学生から短大まで水泳とソフトボールに明け暮れる日々を送る。卒業後、大手スポーツクラブで勤務。退職後、キャリアコンサルタント国家資格取得。「自分らしく」「生き生きと働く」ライフキャリアやワークキャリアを考え、歩んでいけるお手伝いをします。自分も周りも幸せになる世界を目指して。趣味:音楽鑑賞・ライブ参戦・読書(本屋さんが大好き)・空を見るのが大好き 好きな言葉は「雨過天晴」自分のキーワード「挑戦する・感謝する・ワクワクする」
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