心を傾け相手と向き合うコミュニケーション
「あっ・・・きっといま、違う事考えているな。」
「あっ・・・もう話を切り上げた方がいいかな。」
自分が話していて、そう感じることはありませんか?
昔のはなし。。。
上司との面談で、「で、何か話したい事はある?」という上から目線で形ばかりの面談には、こちらはこちらとして、まずはしっかり自分の心のカギを施錠し、何とかスムーズに面談が終えられるよう、受け答えのテンプレを適切に出し、上司の機嫌を伺いつつ話を終え、面談最速終了タイムの更新を目指したものでした。
相手は聞いてくれているように見えて、それとは別に、心や、頭の中の声が聞こえる時があります。そして、このように感じたら話し続けるのは難しく、きっとその先は、相手の話が永遠と続き、時にはマウントをとられ、説明説得され、最悪な事態では私自身も意気消沈してしまうことになります。
話を聞き流す、受け流す、など時には必要なスキルかと思いますが、関係性を良くしたい相手との話は耳だけでなく心を傾けて向き合いたいものです。
「きく」の3種類→ 聞く、聴く、訊く
聞く・・・耳で物音を聞く
聴く・・・心で聴き取り 理解しようとする
訊く・・・頭で考え 知りたい事を尋ねる
それぞれの「きく」にはそれぞれの意味がありますが、以前、耳と目と心をフルにつかう、『五感を使ってキャッチし、気持ちをハートでキャッチする』と教えていただいたことを思い出します。
傾聴を考える
傾聴とは、相手の言葉に対して丁寧に耳を傾け、相手に共感しながら信頼を示すことで、人間関係をより良くするため、そしてビジネスシーンのあらゆる場面で必要なスキルです。
傾聴力を高めることで、上司と部下との間に信頼関係が構築され、組織力が高まり、パフォーマンスを上げることができます。
また、傾聴は経済産業省が掲げる「人生100年時代の社会人基礎力」で「社会人基礎力の1つ」としてあげられます。①前に踏み出す力(アクション)②考え抜く力(シンキング)③チームで働く力(チームワーク)の3つの能力の中の、12の能力要素にある、多様な人々と共に目標に向けて協力する力にある1つでもあります。
傾聴は、ただ相手の話を聞くといった単純な手法ではなく、『相手が言いたい事、相手が伝えたい事に重点を置き、「きちんと相手を理解する」』ことが重要なポイントになります。相手を深いレベルで理解でき、よりよい関係を築く事につながります。
効果としては・・・
聞き手が聞き役に徹する事で、話し手が自ら自身の心情や意見を整理していくことを促します。感情的なことが整理されると、話し手は改善行動や解決行動に移りやすくなります。また、回数を重ねていくうちに、話し手は聞き手に対して「理解されている」「共感されている」という意識を持ち、信頼関係が構築されていきます。仕事をする上で信頼関係がある状態を築くことは、心理的安全性が高まり、コミュニケーションが円滑になり、仕事をスムーズに進めることができるようになるため、成果を上げやすくなります。
キャリアコンサルタント資格の勉強をしている過程で、「傾聴」という壁に何度もぶつかりました。「(聴くことを)ちゃんとしよう・・・」と本末転倒な考があったからこそ、形にとらわれ、心の矢印は相手ではなく、常に自分に向いていました。「ちゃんとできるかな=出来ないと思われたくない」という思いで頭が支配されていたように感じます。色々な面で自己一致ができてない状況でした。
あるとき、講師の先生から「まじめすぎだよ!(どうしたの?いつも通りの城戸さんでいこう)」と言葉を掛けて頂き、ふと我に返り、自分の事ばかり考えていた事に気づき、心の矢印を相手に向ける事を考え、見直しました。困っているのは私(自分)ではなく、相談者であるという基本の見直しでした。
そして、『無知の知』が大切であり、知らないところから一つ一つ積み重ね相手を知る事に重要な意味があると知りました。そうしないと、相手との信頼関係は築けず、ましてや本当の問題や課題は見えてこないのです。
新年度がスタートし、色々な環境変化の中だからこそ、部下の方、新しく仲間になった方には特に、「聴くコト」を積極的に行っていきたいですね。
自分の話を聴いてくれる
話せる場がある
最後まで話を聴いてくれる人がいる
これは、安心・安全であり、心理的安全性のある場、関係と言えるのではないでしょうか。