懐かしい自分から学ぶライフテーマとは
「幼少の頃憧れた(尊敬していた)人は誰ですか?」
「どのような人ですか?」
ここでいう幼少とは6歳頃の事を指していて、ピュアな頃だといわれています。
6歳という年齢にも意味があり、この時期は自分のアイデンティティや価値観を形成し始める時期であり、憧れの人物を通じて自分の理想像や価値観を具現化する事が出来ます。
この問いは、キャリア・カウンセリングの第一人者である、マーク・サビカス博士の理論にあります。先日、ある講習でお写真を拝見したのですが、その写真からも包容力や優しさが伝わり、現在77歳でご健在とのこと。理論家というと「昔の凄い方」という勝手なイメージがありましたが、ご健在で今も講演などされているということを知ると、急に親近感がわき、今の学びにも繋がると共に、勝手ながらご縁を感じました。
幼少の頃憧れた人・・・・・
私には明確な画像が数枚あり、幼稚園の先生でその笑顔と名前をはっきりと覚えています。
6歳頃、幼稚園の頃、というがあるからこそかもしれませんが、共に参加していたメンバーはアニメのキャラクターや親戚のお兄ちゃん、芸能人や歌手の方でした。
この一つの問いでも本当に様々で、更に「どのような人ですか?」という問いの表現も様々で、私自身も自分で考えているだけでなく、口に出して他者へ語ることで、その言葉が自分にかえってきて言葉の意味付けがされることを体験しました。
幼少期の憧れた人、ロールモデルがその後の人生でも影響しており、私自身は「その人のように在りたい」という価値観がある事に気づかされました。そして、一見バラバラに見える経験も、自分語りをする中で繋がりが見えてきました。私の憧れは幼稚園の先生にはじまり、人生全体の憧れは祖母であり、長年、小学校の先生をしていました。そして、今の自分がいます。
「ライフテーマ」
不可実なことが多い現在社会において、一貫したキャリアを形成することが難しい状況の中、キャリアに統一感を持たせ、価値のあるものにする枠組みが「ライフテーマ」になります。
仕事は、単純にお金を稼ぐための手段だけではありません。8時間労働で週に5日働くとすれば、人生の約4分の1が仕事に占められています。人生の少なくない割合を占める仕事だからこそ、そこには常に、「なぜその仕事をしているのか」「最終的に求めている到着点は何か」を考える必要があるのではないでしょうか。
「自分の人生の物語の著者になる」
そして、サビカス博士は「自分でキャリアをつくる」ことを「自分の人生の物語の著者になる」という言葉で表現しています。その上で、キャリアの介入として、目指すものは、自分を新たに作り出す「自己創造」であり、キャリアコンサルタントの存在は「共同著者」であるとしています。「ライフテーマ」に焦点を当て、最終的なゴールとして現実課題にどう適応させるか「反射・反映」であるとしています。
自分を主人公にした一つの物語
そう考えると、ちょっと面白いな・・・と感じました。
そして、人生物語の読み手ではなく、書き手になる為に重要な事は、自分語りをする事です。
今回「キャリア・コンストラクション・インタビュー」を通して、30分程のインタビューを体験しましたが、ここまで「自分の事」を話したのは初めてでした。あっという間の30分で、爽快さをも感じました。自分の口にした言葉が自分にかえってきて、更に、自己理解が深まると共に、新たな自分を発見した喜びもありました。そして・・・・こんなにも自分の話をすることはなかなかないなあ~と実感し、「人は自分の話をこんなにも聴いてもらいたいのだな」というのが、参加メンバーとの共通体験でした。
改めて「人の話を聴く」大切さを知りました。
身近な人の話をどこまで聴けているのかな・・・そこからはじめませんか。