私の取扱説明書

「部下を理解したい・・・」「信頼関係を築きたい!」
と、考えているリーダーの皆様。他者理解に力を注ぐ一方で、自分自身のことをどれだけ理解しているのか?あらためて振り返ったことはあるでしょうか。
変化が激しく、予測不能な状況が続く今の時代、リーダー自身が「自分をうまく扱う力」を持っていることは、チーム全体の安定にもつながる大切な土台なのではないでしょうか。
その一歩として「自分の取扱説明書」を作ってみるのはいかがでしょうか。
自分の取扱説明書とは?
家電製品に取扱説明書があるように、人にも「こうするとよく働く」「ここは注意が必要」といった“取扱いのコツ”があります。それを自分自身で明文化することで、自分という存在を客観的に理解する視点を持つことができるのではないでしょうか。
「自己理解」というと、分かっているようで言葉にするには少し難しく感じる事があるかもしれませんが、「取扱説明書」という言葉や形にすることで、ぐっと身近で実用的に捉えやすくなるのではないでしょうか。
自分の取扱説明書は「困難を乗り越えるツール」!?
日常の中では、想定外の出来事や、イレギュラーな判断を迫られる場面が少なからずあります。そんな時、最も頼りになるのは「自分の癖」や「自分の立て直し方」を理解しているかどうかです。自分の取扱説明書を持つことで、イレギュラーな事態にも・・・
・自分は、どんな環境で冷静さを取り戻しやすいか?
・落ち込んだとき、誰から、どんな言葉をかけられると立ち直れるか?
・気持ちが揺れたとき、どう行動すれば元に戻せるか?
その問いを自分自身に投げかけることで、切り替えのスイッチになったり、乗り越えるきっかけになるかもしれません。これは、リーダーとして自分を整えるだけでなく、部下の不安や混乱を受け止めるための「余白」を保つためにも役立つのではないでしょうか。
取扱説明書に含めたい3つの視点
① ご機嫌の取り方(エネルギーの回復方法)
自分が前向きさを取り戻すために必要な時間・環境・行動を把握しましょう。たとえば、「一人になって考える時間が必要」「朝のルーティンが整うと落ち着く」など、自分を整えるスイッチがどこにあるのかを知っておくことが大切です。
② やる気スイッチの入れ方(モチベーションの源)
どんな時に自分のエネルギーが湧くのか。「誰かの役に立っている実感」「自分の成長を感じたとき」など、自分の価値観や充実感の源を明確にしておくことで、日々の行動に繋がってくるのではないでしょうか。
③ 取り扱い注意のポイント(ストレスの要因)
自分がストレスを感じやすい状況や反応パターンも大切な情報です。「急な予定変更に弱い」「強い言い方をされると思考が止まりやすい」など、心の安全装置を知っておくことで、ストレスマネジメントがしやすくなります。
また、自分を知ることは、他者との関係づくりにもつながるのではないでしょうか。取扱説明書は、必要に応じて周囲に共有することも可能で、「私はこういう状況が得意です」「こういう関わり方がありがたいです」と事前に伝えておくことで、相互理解のベースが生まれ、無用なすれ違いを防ぐことができるかもしれません。
また、部下に対しても「自分の取扱説明書をつくってみない?」と問いかけることで、自己理解を促し、育成の対話ツールとしても活用できるのではないでしょうか。
そして・・・・取扱説明書は『変化に強い自分』をつくるために必要な習慣!
人は成長とともに変化します。数年前と今では、取扱説明書の内容も大きく異なるかもしれません。だからこそ、今の自分にフィットする取扱い方を、定期的に見直すことが重要なのかもしれません。リーダーとして、他者に目を向ける事はもちろんですがその前に、まずは自分自身を知ること!その習慣が、自分にも周囲にも安心安全で、柔軟なリーダーシップにつながっていくのではないでしょうか。
さっそく、手帳の片隅に「自分の取扱説明書」を1つ2つ、書いてみませんか?
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