コミュ二ケーションの行き違い。 結局、笑顔がモノを言う。
おはようございます。特定社会保険労務士の森川です。コミュニケーションの質と量の話をしましたが、そのコミュニケ―ションのスタートは、「笑顔」だというのが今日のお話しです。
プロフィールにも記載しておりますが、私は、開業から数年、行政の窓口で個別訪問や相談対応、集団指導の講師等を経験させて頂きました。超駆け出しの頃から5年弱お世話になっていたのですが、この時の経験は現在の糧になっていますし、今でも気軽に相談や質問できるような監督官がいてくださるのは、本当にありがたい話です。
私は、会社員時代の店舗責任者だった頃、当時の所轄監督署から「是正勧告書」を出され、会社からは、「強めの指導を受けるようなことがあったら、即降格」ということを言われた経験があったので、ある意味監督署=強制力をもった怖い人がいるところと変な刷り込みをされており、非常勤指導員として勤務をはじめた時は、毎日が緊張の連続でした。
相談で「法律」の話をする割合
私が就いた非常勤職員の名前は「労働時間適正化指導員」。立派な名前に負けをしないように、手があいたときには、とにかく、「コンメンタール」を穴があくほど読み込み、過去の相談履歴はPC上で確認し、監督官をはじめベテラン相談員の方がどのような回答をされているのかを徹底的に研究しました。
私が勤務していた期間には、労働基準法の大改正(年休の5日指定付与、時間外労働の上限規制、フレックスタイム制の清算期間延長等)がありましたし、最後の年は、丁度、新型コロナ感染症の大流行1年目で、特例の雇調金がスタートした時期とかぶり、毎日、「平均賃金の算出方法」について説明していた時期もありました。ですので、法律の説明をすることもあったのですが、それは全体の3割程度、残りはほとんどが、コミュニケーションの行き違いの相談でした。
例えば…「うちの会社の36協定時間を教えてください」という結構の割合で受けたことがあったのですが、これを相談窓口に尋ねられても回答できるわけもなく、「申し訳ないですが、こちらでは回答しかねます。まず、会社に確認してください。その上で、もし、会社が拒むようなことがあれば再度ご連絡いただけますか?」とか…。この事例は少し、法律の匂いがしますが…。
あとは
「うちの会社、ブラックなんですよ。どうにかしてください。」とか、
「うちの社長、〇〇さんには丁寧に教えるのに、私には全くなんですよ。これって嫌がらせですよね。」
「うちの会社、年休を全部利用させてくれないんですよーーー。これって、法律違反ですよね?」…といった系の相談が、とめどなく電話でかかかってくる訳です。
こういった場合、残念ながら法律の出番とはなりませんから、当然ながら、”コミュニケーションの取り方””話の聴き方””伝え方”の説明に終始することが良くありました。でも、決まって、この話をすると…
「だって、話しかけづらいんです。」という答えが返ってくるんです。相談受けている私は、心ひそかに、「そこ??大人なんだからしっかりしよーーぜーー」とは思っていましたが(笑)、確かに勤務時間中、ずっと眉間にしわをよせ、不機嫌そうに見る上長とはコミュニケーションがとり辛いというものも分からないでもないですね。
どんなに思っても、心は見えない。
従業員のことを思わない社長なんて、この世にはいないとお付き合いしている経営者の皆様を見ていると強く思います。ですが、上手く表現できないんですよね。経営や運営の課題解消や資金繰り、イレギュラー対応まであらゆることを対応しなくてはならず、なかなか細やかなコミュニケーションまで手が回らないのも事実。では、どうすれば良いのか…。ポイントは、笑顔です。笑顔。
もちろん、同じ男性ではないのですが、眉間にしわ、悩ましいい表情ばかりしている人に、話かけたりするのは難しいですよね。楽しいから笑うのは子供。笑うから楽しいのは大人。職場の安心感の醸成はまず笑顔からです。何を今さら…と難しく思われる方は、デスク周りに、手鏡を設置されることをお勧めします。これ、案外効果的なんです。(私も事務所には設置しています。)そして、たまに覗く。これはとても良いトレーニング(例えば…サイレントスマイル⇔ハーフスマイルの繰り返し)になります。
一般的に、日本人が表情筋を使っている割合はとても少なく、全体の2~3割程度だと言われています。喜怒哀楽が激しすぎる社長も部下は大変ですが、全く表情のない社長も部下は戸惑います。いつもより少しだけ表情筋を動かし、笑顔でコミュニケーションをとらてみてはいかがでしょうか?