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「個」が「チーム」に変わる瞬間

城戸 貴子

「隣の芝生はどうしてこんなに青い?!」

4月も半ば。新しい体制で走り出したものの、ふと周りを見渡して「隣の部署はスムーズに進んでいるな」「あのチームはメンバーに恵まれているな」と、羨ましく感じてしまうことはありませんか?

先日の学びの中で、私はまさにその罠に陥っていました。ゲーム中、思うように目標のキューブが集まらない自分のチーム、一方で、順調に成果を積み上げている隣のチーム・・・それを見た私や同じチームメンバーの口から漏れたのは、「あっちのチームは、出ているカード(環境)がいいよね~」という言葉でした。これは、どこか「自分たちが苦戦しているのは運が悪いからだ」と、自分を納得させようとしていたのかもしれません。

しかし現実は、どれだけ手元のキューブとにらめっこをしても、計算上、自分一人の力ではどうしても目標の「10」に届かないのです。その事実を突きつけられた瞬間、私は大きな落胆と諦めがありました。

「ああ、もうダメだ。自分一人では達成できない。ゲームオーバーだ……」

そんなガッカリした気持ちで立ち尽くしたとき、ようやく一つの「ルール」が、頭と耳の奥から滑り込んできました。それは、ゲーム開始時にインストラクターから告げられていたはずの、ある仕組みです。

「他のチームメンバーの体験を聴き、共感を得たら、両者がキューブを獲得できる」

実は最初から聞いていたはずのことでした。知識としては知っていたはずなのに、自分一人の力で何とかしようともがいている間は、その言葉の本当の意味が、全く自分事になっていなかったのです。

「私の10」から「私たちの10」へ

「一人では届かない」という現実を認め、白旗を上げたその時。私だけでなく、チームのメンバー全員の目が、初めて自分の手元から「隣の仲間」へと向けられました。

「実は、今こんな状況なんだよね……」

「まずい状況だね。なんとかできないかな・・・・」

そこから対話が始まり、お互いの体験に共感が生まれた瞬間、停滞していた盤面に次々と新しいキューブが置かれ始めました。視点が「自分の10」から「私たちの10」へと移った途端、あれほど遠く感じられたゴールが、驚くほど近くに、そして確かなものとして感じられたのです。閉ざされたと思っていたゴールへの扉が少し開き、光が見えたのです。

一人で抱え込んでいた時は「重荷」でしかなかった目標が、みんなで分かち合った瞬間に、チームを一つにする「合言葉」に変わった。そんな不思議な感覚でした。

二つの目より、四つの目で

また、「助けて」と言うことや、自分の至らなさを認めて手札を見せることは、特にリーダーという立場にいる方にとっては、少し勇気がいることかもしれません。

でも、完璧であろうとすることを手放し、「一人では難しいから、力を貸してほしい」と隙間を見せる。そのことが、メンバーに「力になりたい!」という意欲を呼び起こし、チームに新しい風を吹き込むきっかけになるのではないでしょうか。

自分一人では見落としていた「打つ手」を、仲間が一緒に見つけてくれる。死角を補い合い、色んな視点で見ることができ、その「四つの目」の安心感こそが、困難を突破する一番のエネルギーになるのかもしれません。

協働という「冒険」の始まり

新しいメンバーが集まった時、最初から完璧な連携ができる組織などないのかもしれません。最初は誰もが「個」として精一杯で、壁にぶつかって、落胆してしまうかもしれません。でも、その落胆こそが、自分一人の限界を認め、誰かと手を取り合うための「本当のスタートライン」になるのではないでしょうか。

そして、決して「自分はダメだ」「ここではない」と全てを否定するのではなく、その経験は自分が頑張った証であり、長く続くキャリアの道のまだまだ途中なのです。だからこそ、誰かと手を取り合い、共に進んでみることではないでしょうか。仲間の力に感謝し、協働というエネルギーを得るキッカケになるかもしれません。

今日、周りに目をやると、壁にぶつかって落胆しかけているメンバーがいるかもしれません。ぜひ、「今、どんな状況? ちょっと話を聴かせて、一緒に考えよう!」と声をかけてみてください。その一言から、あなたのチームの、ワクワクするような「協働という冒険」が動き出すかもしれません。

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ABOUT ME
城戸 貴子
城戸 貴子
国家資格・2級キャリアコンサルティング技能士
九州女子短期大学体育科卒業。小学生から短大まで水泳とソフトボールに明け暮れる日々を送る。卒業後、大手スポーツクラブで勤務。退職後、キャリアコンサルタント国家資格、キャリアコンサルティング技能士2級取得。「自分らしく」「生き生きと働く」ライフキャリアやワークキャリアを考え、歩んでいけるお手伝いをします。自分も周りも幸せになる世界を目指して。趣味:音楽鑑賞・ライブ参戦・読書(本屋さんが大好き)・空を見るのが大好き 好きな言葉は「雨過天晴」自分のキーワード「挑戦する・感謝する・ワクワクする」
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