新人は、職場を映す鏡になる
仕事を覚えること。
職場の雰囲気をつかむこと。
周りの人との距離感を探りながら、一日一日を過ごしていく時間。
新しい人が職場に入ると、まずは「早く慣れなければ・・・」と思うことがあると思いますが、少し視点を変えてみると、新しく入ってきた人は、もう一つ別の役割を自然と担っているように思います。
それは、『職場を映す鏡』になることです。
新しい人の存在は、普段は気づかずに続けている「当たり前」を、そっと映し出します。
いつの間にか慣れてしまったやり方や、言葉にされていないルール。それらを、改めて見直すきっかけをつくってくれることがあるのではないでしょうか。
そして、新しい環境に入ると、「思っていたのと少し違う」と感じることもあるかもしれませんが、その違和感があるからこそ、今まで見えなかったことに気づくこともあります。
以前、こんなことがありました。
ある新入社員が、毎朝事務所の入り口で足を止め、まっすぐに立って「おはようございます」と挨拶をしていました。それも、事務所にいる人みんなに届くような、気持ちのよい声でした。「元気でいいね」と周りは笑顔で受け止めていましたが、その姿を見ているうちに、ふと自分のことを振り返りました。
自分の朝の挨拶はどうだろうか?
忙しさに紛れて、顔を上げないまま言っていなかっただろうか?
慣れた毎日の中で、いつの間にか形だけになっていなかっただろうか?
挨拶に新人もベテランもありません。
だからこそ、”いつも気持ちのよい挨拶をしたい!”そんな初心を、改めて思い出させてもらったような気がしました。
また、レッスンの準備の流れを説明していた時のことです。
A→B→Cという手順を伝えながら、自分の頭の中を整理していくと、その前後には「A”」や「A@」のような細かな準備がいくつもあることに気づきました。
それは、Aをきちんと行うための「準備の準備」のようなものです。そして、その一つひとつをたどっていくと、結局はある一つの思いに行き着きました。
「会員の皆様に楽しんでいただくために、何ができるか」
ということです。
そう考えると、A→B→Cという手順だけを教えるのではなく、まずは「なぜそれをするのか」「どんな思いで向き合っているのか」を伝えることが大切で、それは現場を熟知している先輩の大切な役割なのかもしれないと感じました。
新しく入った方は、まだできることが多くないかもしれません。
仕事を覚える途中で、戸惑うこともたくさんあると思います。
それでも、その存在は、職場の中にある「当たり前」を映し出し、私たちが忘れかけていた大切なことに気づかせてくれることがあります。
新人は、仕事を覚える前に、すでに職場を映す鏡になっているのかもしれません。
そして、その鏡を通して見えてくるものこそ、これからの職場をよりよくしていくヒントなのかもしれません。
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